「いつかは、自分の家族をもつ」と、多くの人が、人生のどこかのタイミングで、ふとそう考えるかもしれません。
家族とは、決められたレールの上を歩くことでも、社会的な役割を果たすことでもない気がしていて、
それは、この世界で、たった一つの「安全基地」を、自分の手で築き上げるということなのであるかと思います。
家族とは「なる」ものではなく、「つくる」もの
私たちはつい、「家族」を完成されたパッケージのように考えてしまいがちです。
しかし、本当の家族とは、制度や形式から「なる」ものではなく、日々の積み重ねによって「つくっていく」ものです。
もちろん、「好き」という気持ちは欠かせません。 でも、それだけでは家族はつくれません。
そこには、相手への「尊敬」という土台が必要です。「信頼」という屋根もいるでしょう。
時には壊れてしまう壁を修復するための、「許し」も欠かせません。
そして何より、「この家を、二人でもっと素敵な場所にしていこう」という、共通の「意思」が必要です。
「私たち」と「私」が、共存する場所
家族をつくることは、「自己犠牲」と結びつけて語られます。 「自分の時間がなくなる」「自由がなくなる」…そんな風に。
でも、本当に良い家族とは、「私」という個人を消して「私たち」になることではありません。
それは、「私たち」という安心できる基地があるからこそ、「私」がもっと自由に、自分らしく輝ける場所です。
パートナーが、あなたの夢を心から応援してくれる。 あなたが、パートナーが一人になりたい時間を、笑顔で尊重してあげる。 お互いが、それぞれの世界を持ち、そこで得たものを持ち帰って、二人の世界をさらに豊かにしていく。
家族とは、個性を溶かし合う場所ではなく、それぞれの個性が安心して育つための、温かい土壌なのです。
「ただいま」が言える
人生には、どうしようもなく辛い日があります。 仕事で失敗して、誰にも会いたくない日。理不尽な出来事に、心がささくれ立ってしまう日。
家では、社会的な肩書きも、世間からの評価も関係ありません。 ただ、ありのままのあなたでいられる。ダメな自分も、弱い自分も、格好悪い自分も、まるごとOKな場所。
「おかえり」という一言が、どんな慰めよりも心に沁みる。 そんな絶対的な安心感を与え、与えられる関係性。それこそが、私たちが心の底で求めている「家族」の姿なのかもしれません。
家族をつくることは、人生で最も尊いこと
血の繋がりがあるかどうかも、法律上の関係があるかどうかも、本質ではありません。 子どもがいるかどうかも、関係ありません。
二人でも、三人でも。あるいは、もっと多くの仲間とでも。 お互いを尊重し、信頼し、許し合い、「ここが私たちの還る場所だね」と笑い合える関係性。 それらすべてが、尊い「家族」の形です。
家族をつくることは、時に面倒で、衝突することもあるでしょう。 しかし、それ以上に、人生で味わうことのできる、最も深く、温かい喜びを与えてくれます。
それは、あなたの人生における、最も創造的で、価値のある生きる意味そのものであると思います。
あなたは、どんな家族を、つくっていきたいですか?